チェルフィッチュ×金氏徹平

消しゴム山

東京公演(2024)

概要

人間のスケールを脱し、世界の捉え方を更新する人、モノ、時間、空間、言葉が、未知のすがたで現れる

演劇という人間のための営みを通して、人間とモノ、それらを取り巻く環境とがフラットな関係で存在する世界を生み出すことはできるだろうか。

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市において、津波被害を防ぐ高台の造成工事は驚異的な速度で風景を人工的に作り変えつつあった。岡田利規がその光景を目撃したことから構想された「人間的尺度」を疑う作品は、彫刻の領域を拡張し続ける美術家・金氏徹平をコラボレーターに迎え『消しゴム山』として実現した。無数にモノの並ぶ空間で俳優はモノと新たな関係を構築し、それに立ち会う観客もまた、世界の新たな姿に触れることになる。

2019年10月に京都で世界初演を迎えた『消しゴム山』は、コロナ禍による影響を受けながら、ニューヨーク(2020)、東京、ウィーン、パリ(2021)と上演を行ってきた。
東日本大震災後の陸前高田の風景から着想された「人間的尺度」を疑うというコンセプトは、新型コロナウイルスという人間の手には負えない脅威を目の当たりにした2024年の東京に何を映すのか。チェルフィッチュのこれまでの方法論を刷新する意欲作かつ問題作を、3年ぶりに東京で上演する。

公演情報

日程
2024年

6月7日金曜日 18:30開演
6月8日土曜日 13:00開演 開演前タッチツアー、上演中ウィスパリング歓迎の回
6月8日土曜日 18:00開演 終演後、アフタートークあり
6月9日日曜日 13:00開演 鑑賞マナーハードル低めの回

受付開始およびロビー開場は開演60分前
客席開場は開演30分前
※移動にサポートが必要な方や小さなお子さん連れの方に安全に入場いただくため、ご案内を優先させていただきます。
ロビー内カフェあり(開演前のみ営業)
開演45分前にロビーにて作品解説を行います。

上演時間
2時間30分(休憩なし)

日本語上演、日本語・英語字幕

タッチツアー(6/8土曜日 12:30〜13:00)
視覚障害者向け、要予約。 6/8(土)14:00公演の開演前に舞台上に実際に上がっていただき、舞台の様子を解説、触りながら体感していただけます。 ご希望のお客様はチェルフィッチュまで、お名前と介助者の有無を添えてメールをお送りください。

上演中ウィスパリング歓迎の回(6/8(土) 14:00公演のみ)
視覚障害のある方やお子様など、観劇中に舞台上でなにが起こっているのかの説明を受けながら観劇したい方にも気兼ねなくご観劇いただくために、この回は上演中のウィスパリング(舞台上の様子を耳元で解説する)を歓迎します。

この回では、以下のサポートを実施します:
・駅からの送迎 ※要予約(メール)
・上演前タッチツアー (6月8日土曜日13:00公演のチケットをお持ちの方のみ) ※要予約(メール)
視覚障害のある方を対象に、開演前に舞台美術を中心とした今回の公演のコンセプトを感じることができる「タッチツアー」を開催いたします。

鑑賞マナーハードル低めの回(6/9日曜日 14:00公演のみ)
客席でジッと静かに座っていることは観劇の基本的なマナー。でもそれが観劇のためのハードルに感じられてしまうこともあります。「子供がおしゃべりしちゃうかも」「障害があって上演中に休憩したくなるかも」など、演劇は観たいけど心配なことがあるという方にも気兼ねなくご観劇いただくために、この回の客席では鑑賞マナーを少しだけゆるくすることにしました。

会場

世田谷パブリックシアター
住所
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4丁目1番地1号

交通アクセス
東急田園都市線・世田谷線 三軒茶屋駅より直結 キャロットタワー3階
三軒茶屋駅からのバリアフリールートは劇場ウェブサイトにてご確認いただけます。
世田谷パブリックシアターウェブサイト

チケット情報

チケット発売:4月13日土曜日 10:00
先行発売:世田谷パブリックシアター友の会 4月11日木曜日 10:00 、せたがやアーツカード 12日金曜日 10:00
全席指定席 一般:S席 ¥5,000/A席 ¥4,500
29歳以下(入場時要証明書):S席 ¥4,000/A席 ¥3,500
18歳以下(入場時要証明書):S席 ¥2,000/A席 ¥1,500
障害者割(介助者1名まで無料、入場時要証明書):S席 ¥3,500/A席 ¥3,000
当日券(座席に関わらず):一般5,500円、29歳以下4,500円、18歳以下2,500円、障害者割引4,000円

*世田谷パブリックシアター友の会は200円割引、せたがやアーツカードは100円割引(要事前登録・ともにS席・前売一般のみ)
・未就学児は膝上鑑賞時のみ入場無料。ただし席が必要な場合はチケットをお求めください。
・車椅子席エリアは1階席後方。料金は¥3,000(18歳以下 ¥1,500)、前売のみ。介助者は1名無料(補助席)。
申込:世田谷パブリックシアターチケットセンター(電話・窓口 10:00~19:00) TEL 03-5432-1515

チケット取扱

・世田谷パブリックシアターオンラインチケット(24 時間受付・要事前登録・障害者割引チケットの取扱なし)
ウェブサイト

・世田谷パブリックシアターチケットセンター(電話・窓口 10:00~19:00 *発売初日は電話のみ・障害者割引チケットの取扱あり)
TEL 03-5432-1515

※障害者割引のご予約に関して
劇場チケットセンター(電話・窓口)でのご購入が難しいお客様や、1階通路側の出やすいお席をご希望のお客様は、メールにてご予約を承ります。
(1階通路側座席の予約は、残席状況によってご希望に添えない場合もございます。あらかじめご了承ください。)
宛先:チェルフィッチュ chelfitschticket@gmail.com
本文:お名前/ご希望の公演日時/券種/枚数/鑑賞希望エリア(1階・2階・3階)/1階通路側座席の希望有無

鑑賞サポート

・補助犬 同伴受入
補助犬を伴ってご観劇いただけます。座席によりスペースの大小がございますので、詳しくは劇場までお問い合わせください。 世田谷パブリックシアター TEL 03-5432-1526

・筆談対応
受付時など筆談で対応します。

・託児サービス(定員あり、要予約) 料金:2,200円(1名につき) 対象:生後6ヶ月以上9才未満(障害のあるお子さまについてはご相談ください) 申込:世田谷パブリックシアター 03-5432-1526ご希望日の3日前正午まで。

その他、必要なサポートがある方はチェルフィッチュまでご相談ください。可能な範囲でスタッフが対応します。

クラウドファンディング

今回、チェルフィッチュ初のクラウドファンディングに挑戦します。 このクラウドファンディングは資金調達のためのものであると同時に、チェルフィッチュと『消しゴム山』という作品をより多くの人に知ってもらい、さらには演劇という、今ある現実を別の姿へと揺るがす可能性を持った営みを届けられる範囲を広げていくための挑戦でもあります。この機会にチェルフィッチュのこれまでの取り組みを改めて知っていただき、これからの挑戦にともに参加していただけたらと思います。
クラウドファンディングページ

配信版『消しゴム山は見ている』

「消しゴム」のコンセプトを体現する独自のアプローチでお届けする映像配信「消しゴム山は見ている」は、劇場では体験できないもうひとつの『消しゴム山』です。

視聴:THATRE for ALL
字幕:日本語・英語・オリジナル
時間:155分
視聴料:1,800円(税込)
視聴期限:購入から7日間

『消しゴム山』東京公演、「消しゴム山は見ている」感想・コメント

ンライン独特のカメラワークで、まるで自分が舞台にあげられてしまったような心許なさと、ワクワク。パソコンのモニターの中の演劇が、パソコンの周りにあるモノたち、カメラや机やカーテンまで拡張していくような/宇宙からまた別の地球の上の自分のいる部屋を見ているような/自分の内側と外側が射抜き合うようなゾクゾクした体感。(写真家 川島小鳥)

事物の側に立つことで日常の中の変化がもたらす幸福に目覚めるという哲学的内容も、俳優さんたちの静かで力強い動きも、思いがけなくもたらされる美も、現在の私たちの世界ーー様々な忖度に縛られ、富や情報への「基準」を満たさない人間は排除されるーーに必要なものだと思います。(中略)配信の映像では、編集やアングルに、舞台を正面からしか見られない観劇時には気がつかなかった作品のメッセージや技術的工夫へのヒントがたくさん込められていました。(美術批評家 松井みどり)

岡田さんの作り方はいつも想定を超えて来ますよね。(中略)常に変容し続ける柔軟さを持ってる方だなと思っていて、今度は何をやられるんだろうっていつもすごく気になります。(演出家 ノゾエ征爾/ステージナタリー「THEATRE for ALL」岡田利規×ノゾエ征爾 対談 より抜粋)

再演のあうるすぽっとの客席は、パフォーマンスが進むほど客席の集中力が高まり、最後の拍手はお世辞でなく、観客の興奮の度合いが伝わってくる熱いものだった。京都と東京という地域差ではなく、やはり作品が変化し、成熟していたのだと思う。(演劇ジャーナリスト 徳永京子/note「 ずっと味が消えない(ただし美味しいわけではない)ガムのように。チェルフィッチュ✕金氏徹平『消しゴム山』は続く」より抜粋)

これは『モノ』の立場になった時に聞こえてくる人間の声なのではないか(ジャーナリスト 中本千晶/日経MJ 2月26日号「中本千晶のレビューれびゅー」より抜粋)

モノに埋もれ、なかばそれらと一体になりながらそこに立つ俳優の姿は、不可解なこの世界に生きるしかない私の似姿かもしれない。(批評家・ドラマトゥルク 山崎健太 /artscapeレビュー 「プレビュー:東日本大震災と向き合う舞台作品4本──」 より抜粋)